※本記事では、ダイエットやボディメイクを行う上で知っておきたい理論の1つである「代謝」についてお話しします。
※ダイエットやボディメイクに必要な情報のみ抜粋し、一般人に分かりやすい形で翻訳することが目的です。
医学や生物学の専門書とは目的が異なりますので、その点ご承知おきください。
●「脂肪を上手く落とせない…」「1度痩せてもすぐにリバウンドしてしまう…」そんな経験ありませんか?
皆さんは、ダイエットを行う場合何をしますか?
「食事制限です!」「ウォーキングやジョギングです!」「マ○ジャロ打ちます!」様々な答えが返ってくるかもしれません。
痩せるという目的ではどれも理にかなっています。(マ○ジャロは医療目的でない場合オススメできませんが…)
しかし、これらの活動を中止した途端、すぐに元の体重/体型に戻ってしまうことありませんか?
それ、あなたの身体の痩せやすさが関係しています。
この痩せやすさについて本記事で学び、「具体的に何を実践すれば良いのか?」を考えていきます。
代謝とは?
代謝とは、生きるために必要なエネルギーを作る一連の化学反応を指します。
つまり、心拍や体温維持などを行う身体のはたらきのことです。
よく、「代謝が良い」という言葉を耳にしませんか?
これは、『エネルギーを作り、消費するのが上手い』という意味です。
血行が良くて体温がある程度高く、老廃物が溜まりにくいというメリットもあります。
代謝は大きく分けて3種類あります。

なぜ代謝という言葉を学んだのか?
それは、ダイエットやボディメイクの基本となるカロリー収支に必要不可欠な知識だからです。
(※文脈的に”エネルギー収支”が適切かと思いますが、一般的に”カロリー収支“と言われることが多いので、以下エネルギーのことをカロリーと表現する部分もあります。)
カロリー収支は、摂取カロリーと消費カロリーの差分で求められます。
i)摂取カロリー>消費カロリーの場合 (摂取大、消費小)
→摂取カロリーが全て使われず余ります。その結果、体重が増加しやすくなります。
これをオーバーカロリーと言います。
ii)摂取カロリー<消費カロリーの場合 (摂取小、消費大)
→ 摂取したエネルギーが不足するため、身体は体内に貯蔵しているエネルギーを利用し、不足分を補います。その結果、体重が減少しやすくなります。
これをアンダーカロリーと言います。
※不足分を補うことについて…
体内に貯蔵されているエネルギーには、血中のグルコースや肝臓・筋肉に蓄えられたグリコーゲンなどの「糖質」、そして脂肪組織に蓄えられた「脂肪」などがあります。これらは状況に応じて同時に利用されますが、運動強度や食事内容などによって利用される割合が変化します。

ずばり…
『代謝が良くなる→エネルギーをたくさん使える状態になる→痩せやすく太りにくい身体になる』
ということです!
このうち、①基礎代謝と②活動代謝は生活習慣によってある程度変化させることができます。
順を追って見ていきましょう。
基礎代謝の仕組み ~持続的な身体作りのキホン~
基礎代謝は、簡潔に言えば「生きているだけで消費するエネルギー」です。
ここで、基礎代謝について…
基礎代謝の値(推定)はいくつかの方法で求めることができます。
ここでは代表して、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の基礎代謝量計算式を紹介します。
<基礎代謝量の計算式>
基礎代謝量(kcal/日) = 基礎代謝基準値(kcal/(kg・日))×体重(kg)
表 性別/年齢ごとの基礎代謝基準値
| 性別 | 男性 | 女性 |
| 年齢 | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) |
| 18~29歳 | 23.7 | 22.1 |
| 30~49歳 | 22.5 | 21.9 |
| 50~64歳 | 21.8 | 20.7 |
| 65~74歳 | 21.6 | 20.7 |
| 75歳以上 | 21.5 | 20.7 |
例えば、体重70kgの27歳男性であれば、基礎代謝量は以下のように計算できます。
23.7(kcal/kg体重/日) × 70(kg) = 1659(kcal)
この1659kcalが基礎代謝量、つまり「生きているだけで消費するエネルギー」となります。
(※個人によって体格や身体機能の差があるため、あくまで推定値です。)
計算式から分かるように、基礎代謝量は体重に比例します。
簡潔に言えば「体重が重いほど生きるためのエネルギーをたくさん使う」という意味です。
この原理をもとに、ダイエットを考えて見ましょう。
皆さんは、ダイエットの指標として体重を用いるかと思います。
数値目標を立てることはとても理にかなっています。しかし、体重を落とすことばかり目的にしている場合、注意が必要です。
体重が落ちてくると、エネルギーを消費しづらい身体になるという意味でもあります。
体重が減ることで、総消費エネルギーが低下し、減量ペースが遅くなりやすくなります。
つまり、脂肪だけでなく筋肉や蓄えているエネルギーも落ちてくると、身体はエネルギーを使いすぎないモードに変化していき、痩せにくくなります。
その結果、リバウンドしやすい身体になってしまいます。
本記事で重要視したいのは、「痩せやすく太りにくい身体を作ること」であり、皆さんの持続的なダイエットやボディメイクに繋げることがゴールです。
そのための思考や手段を後ほど説明します。

活動代謝の仕組み ~日常動作で稼げる消費カロリー~
活動代謝は、「日常生活の動作で消費するエネルギー」です。
ここで、活動代謝について…
活動代謝の値(推定)はいくつかの方法で求めることができます。
ここでは代表して、METsを用いた計算方法を紹介します。
METsとは、「その活動が、安静時と比べて何倍くらいエネルギーを消費するか?」を表す単位です。
安静に座っている状態を1METと定義します。
ある活動における消費カロリーは以下の式で求められます。
ある活動における消費カロリー(kcal) = MET × 体重(kg) × 時間(h)
また、活動によって追加された消費カロリー(安静時からの増加消費カロリー)は以下の式で求められます。
活動によって追加された消費カロリー(kcal) = (MET − 1) × 体重(kg) × 時間(h)
下表は体重70kg・1時間行った場合です。
「活動による追加消費」は、安静時1METを差し引いた値です。
安静時1METは、家事や運動の有無によらず常に消費されるエネルギーです。(100%正確ではないですが、基礎代謝と一部重複しているイメージです)
そのため、総消費カロリーを算出したい場合は以下の式を用いることを推奨します。
総消費カロリー(kcal) = 基礎代謝 + 活動によって追加された消費カロリー+DIT
表 各活動のMETs
| 活動 | METs | 総消費 kcal/h | 活動による追加消費 kcal/h |
|---|---|---|---|
| 睡眠 | 1.0 | 70 | 0 |
| 座って休む | 1.0~1.3 | 70~91 | 0~21 |
| デスクワーク・PC作業 | 1.3~1.5 | 91~105 | 21~35 |
| 立っている | 1.3~1.8 | 91~126 | 21~56 |
| 料理 | 2.0~3.5 | 140~245 | 70~175 |
| 掃除機 | 3.0~3.5 | 210~245 | 140~175 |
| 子どもと歩く・走る遊び | 3.5~6.0 | 245~420 | 175~350 |
| 普通歩行(約4.5~5.5km/h) | 3.0~4.0 | 210~280 | 140~210 |
| 速歩(約5.6~6.3km/h) | 4.0~5.0 | 280~350 | 210~280 |
| 自転車・軽め | 3.5~4.5 | 245~315 | 175~245 |
| 自転車・普通 | 5.5~7.0 | 385~490 | 315~420 |
| ジョギング | 6.5~8.0 | 455~560 | 385~490 |
| ランニング(約8km/h) | 7.5~8.0 | 525~560 | 455~490 |
| ランニング(約10km/h) | 8.5~9.5 | 595~665 | 525~595 |
| 筋トレ・複数種目、8~15回程度 | 3.5~5.0 | 245~350 | 175~280 |
| 高強度のウェイトトレーニング | 5.0~6.0 | 350~420 | 280~350 |
| 自重トレーニング・一般 | 3.0~4.0 | 210~280 | 140~210 |
| 高強度自重トレーニング | 6.0~7.5 | 420~525 | 350~455 |
※補足
上記METsは、特定の種目ではなく”複数の種目で構成されたカテゴリーとしての目安値”です。
(例えば、ウェイトトレーニングと一括りに言ってもスクワットのようなフリーウェイト種目からチェストプレスのようなマシン種目まで幅広くあるイメージです。)
そして、筋トレの消費カロリーは扱う重量だけでなく、種目・運動強度・セット間の休憩時間などによって変化します。
そのため、活動代謝の推定値を算出する際は、自身の行っている運動が「どのくらいハードか?」を想像して、METs値を用いてみましょう。
(「高強度の中でも特にハードなウェイトトレーニングだな!」と思えば”METs=7.5″で計算して大丈夫ですし、減量期など自分に厳しく計算するのであれば”METs=6.0″で計算しましょう!)
代謝を落とさずダイエット/ボディメイクする仕組み
1つ前の見出しで、
「脂肪だけでなく筋肉や蓄えているエネルギーも落ちてくると、身体はエネルギーを使いすぎないモードに変化していき、痩せにくくなる(リバウンドしやすい身体になる)」
という話をしました。
では、リバウンドしにくいダイエットとはどのようなことでしょうか?
先ほど学んだ”代謝”と”カロリー収支”の話をもとに、運動と食事の側面からアプローチします。

①運動
代謝を落とさずにダイエットするために必要なこと、それは
筋肉をつけて体重を増やすこと
です。
ここで1つ知識を増やします。
「え!体重増えちゃうの!?それダイエットじゃないじゃん!!」
と思う方、多いかもしれません。
いやいや、冷静に考えてみてください。
体重って、他人から見えないですよね?重要なのは身体のプロポーションなど”見た目”の部分です。
「でも、筋トレしたら身体が太くなっちゃうでしょ?やりたくない…。」
って思う方もいることでしょう。
安心してください。そんな簡単に太くはならないです。
筋肉を大きくすることは想像以上に難しいです。
そしてホルモンの関係上、女性は特に太くなりにくいです。
(そんな簡単に太くなれたら、この世の全員が既にマッチョです(笑))

先ほど学びましたが、体重が落ちるほどエネルギーを消費しにくい身体になります。
そして、ダイエットやボディメイクにおいては、一般的に体脂肪を落とすことが理想とされます。
つまり、「筋肉を維持しながら体脂肪を落とすこと」ができれば、代謝を大きく落とさずに痩せることができます。
「体重を落とすことばかり目標にしている場合、注意が必要」と述べたのはそういう意味です。
また、筋トレを行うこと自体が活動代謝を稼ぐことに繋がります。
筋肉を付けることで基礎代謝が向上し、また活動代謝を稼ぐことになるので一石二鳥なのです。

②食事
先ほどカロリー収支について学びました。
ダイエットやボディメイクのために意識すること、それは
摂取カロリー<消費カロリー
です。
もう少し具体的に述べるならば、
「摂取カロリー」-「消費カロリー」≒-230kcal/1日
をオススメします。
つまり、1日の推定消費カロリー(≒基礎代謝+活動代謝)を算出し、1日の摂取カロリーが消費カロリー230kcal程度低い食事量を摂取するのです。
なぜこの数値を設定したかと言うと、
ダイエットは1ヶ月に1kg体重を落とすくらいが健康的かつ持続的だと言われます。(初期体重によって個人差はあります)
体脂肪を1kg落とすためには、7000kcal~7200kcalのアンダーカロリーが必要で、1ヶ月の平均で言えば1日約230kcalと判断できるからです。
(DITのような消費カロリーも加味すればちょうど7000~7200kcalが期待できます)
この数値、想像しづらいかと思いますが、
実は皆さんが思っているほどハードな食事制限ではありません。
<230kcal程度の食べ物/飲み物>
・ご飯 茶碗1杯分140g
・豚こま 100g
・コーラ 500ml
・クッキー 6枚
・ワイン 3杯
・サラダ油 大さじ1杯半
「1食抜け!」と言うほどハードではなく、数口分(小鉢おかず1つ分)くらい減らせば簡単に達成できます。
また、油は比較的高カロリーなので、料理中に出たフライパンの油をキッチンペーパーで拭き取るだけでも簡単にカロリーを抑えることができます。
そして、食事は抜かずしっかり3食摂取する方が好ましいです。
食事を抜くと、先述の通りエネルギーを消費しにくい身体になるからです。
また、運動時のパフォーマンスにも直結するので、「よく食べてよく動く」を基本原則とすることを推奨します。
適切な食事量と、筋トレをはじめとする運動を両立することで、理想の体型に近づくことができ、努力によって得られた体型を維持することに繋がります。

実際に何をすれば良い?
理論をもとに、実践へ落とし込んでみましょう!
では、実際に何をすれば良いでしょうか?
ここまでおさらいすると…
☆代謝を維持したまま体脂肪を効率良く落としたい
→筋トレで筋肉を付ける/維持する
☆アンダーカロリー(消費カロリー大)の状態で体重(≒体脂肪)を落としたい
→適度な食事制限を行う
ここに、知識を付け加えます。
これにより、ダイエット/ボディメイクのために以下3つのアクションを推奨します。
アクション1:スクワットを中心とした筋トレ+ウォーキング
アクション2:推定総消費カロリーの算出
アクション3:推定消費カロリーを基準とした定食
アクション1:スクワットを中心とした筋トレ+ウォーキング
アクション2:推定総消費カロリーの算出
本記事の「基礎代謝の仕組み ~持続的な身体作りのキホン~」を参考に基礎代謝の推定値、「活動代謝の仕組み ~日常動作で稼げる消費カロリー~」を参考に活動代謝の推定値を出し、総消費カロリーを算出します。
【人物例】
・27歳男性
・体重70kg
・家事(料理1時間、洗濯30分、掃除30分)を行う
・運動(ウェイトトレーニング1時間、ウォーキング30分)
【条件】
・総消費カロリー = 基礎代謝+活動による追加消費で定義し、DITなど推定が難しく小さな値は無視する。
●計算
i)基礎代謝
27歳男性なので、厚労省の18〜29歳男性の基礎代謝基準値 23.7 kcal/kg/日 を使います。
基礎代謝は、
23.7 × 70 = 1,659 kcal/日
と求められます。
ii)活動による追加消費
代表値として以下を用います。
(『表 各活動のMETs』から任意で代表値を定義しました)
| 活動 | 使用METs | 時間 | 活動による追加消費 |
|---|---|---|---|
| 料理 | 2.5 | 1時間 | 105 kcal |
| 洗濯 | 2.0 | 0.5時間 | 35 kcal |
| 掃除 | 3.0 | 0.5時間 | 70 kcal |
| ウェイトトレーニング | 4.5 | 1時間 | 245 kcal |
| ウォーキング | 3.5 | 0.5時間 | 88 kcal |
| 合計 | 543 kcal |
活動による追加消費は、
(METs − 1) × 体重 × 時間
で計算しています。
以上より、推定総消費カロリーは
1,659 + 543 = 2,202 kcal/日
と算出されます。

この条件では1日2,202kcalが一つの目安。ただし筋トレの強度や日常生活の活動量によって、実際の消費カロリーは前後します。
アクション3:推定消費カロリーを基準とした定食
【定食の例】
①鮭の塩焼き定食
| 食品 | 量 | kcal |
|---|---|---|
| 白米 | 180g | 281 |
| 鮭の塩焼き | 100g | 約200 |
| 豆腐とわかめの味噌汁 | 1杯 | 約60 |
| ほうれん草のおひたし | 50g | 約20 |
| 大根おろし | 50g | 約10 |
| 合計 | 約570 kcal |
鮭はビタミン類やアスタキサンチン、DHAやEPAなど非常に栄養価の高い食材です。
カロリーが高くなりにくく、調理方法なども工夫して楽しみやすいため優秀な食材の1つです。
②鯖の味噌煮定食
| 食品 | 量 | kcal |
|---|---|---|
| 白米 | 180g | 281 |
| サバの味噌煮 | 100g | 約250 |
| 豆腐とわかめの味噌汁 | 1杯 | 約60 |
| きゅうりとわかめの酢の物 | 70g | 約30 |
| 漬物 | 20g | 約5 |
| 合計 | 約625 kcal |
鯖は鮭と比較するとやや脂質が多いですが、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸(主にEPA、DHA)が豊富に含まれており、血液をサラサラにする効果や中性脂肪を減らす効果が期待されます。
③豚の生姜焼き定食
| 食品 | 量 | kcal |
|---|---|---|
| 白米 | 180g | 281 |
| 豚ロース生姜焼き | 100g | 約270 |
| 千切りキャベツ | 80g | 約20 |
| 豆腐とわかめの味噌汁 | 1杯 | 約60 |
| 冷奴 | 80g | 約45 |
| 合計 | 約675 kcal |
豚肉は疲労回復効果のあるビタミンB1を多く含みます。
比較的脂が多いので、調理中にフライパンから出た油脂をクッキングペーパーで拭き取るなどの工夫を施すことで カロリーカットも可能です。
④鶏の照り焼き定食
| 食品 | 量 | kcal |
|---|---|---|
| 白米 | 180g | 281 |
| 鶏もも照り焼き | 120g | 約300 |
| キャベツの千切り | 80g | 約20 |
| なめこの味噌汁 | 1杯 | 約50 |
| ひじき煮 | 50g | 約60 |
| 合計 | 約710 kcal |
鶏肉は高タンパク低脂質で筋トレ民からの評価も高い食材です。
710kcalと相対的に高カロリーではありますが、鶏皮を外すなど工夫すれば数十kcalのカットが期待できます。
上記の例から分かるように、一般的な構成の定食は600~700kcalと考えることができます。
1日3食の定食を食べるならば、約1800~2100kcalに収束すると推定できます。
(作る時間など考慮すれば、ちょっと理想論かもしれませんが…)
定食を作る時間がない/コンビニや外食になってしまう場合でも、
「定食例より脂質が多そう…?」「量は適切…?」
というように考えてみて、ざっくりで良いので摂取カロリーを意識してみてください。
その結果次第でおやつや運動量を調整することで、ライフスタイルに合った持続的なダイエット/ボディメイクを実現できます。

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